有職教人形司
平安寿峰

今から百年余り遡る天保の頃、御所の宮仕人として仕えた大久保家が平安寿峰の祖となります。

昭和三十年、大久保家は京都島原の地で京人形作りを始めました。
親から子へ、子から孫へと三代に渡る人形司の系譜がここから始まります。
そして昭和四十七年、次男である大久保 暁は独立し、それまでの人形にはない独自の感性と素材、技をもって、雛人形の制作活動を始めました。
それは「日本人の感性の豊かさを物語る人形」、そして「平安時代より続く宮中文化を表現する人形」を活動の原点としています。
制作活動の地、嵯峨野より拝領し、屋号を「沙雅の人形」と称し、号を「平安 寿峰」としました。
「寿峰」の名は嵯峨野の奥に構える愛宕山の景色をとらえてつけられています。

初代 寿峰が雛人形作りをはじめて四十年余り。
原点のもの作りを今も続け、皇室や伊勢神宮、出雲大社をはじめ多くの皆様のもとへ
平安寿峰の名にいつわりなくお届けし、これからもより善き人形を、そして日本文化をお届けしていくのが使命と日々研鑽続けて参ります。

平安寿峰 プロフィール

1970年 京都・嵯峨野に生まれる。
1990年 父、平安寿峰の元で人形製作の修行に入る。
1996年 自身のライフワークである宮中文化研究の最大のテーマであった
実物の宮中衣装の縮小を雛人形の衣装として着せ付ける,「本着せ衣装雛」を発表する。
1997年 各地の百貨店画廊に於いて「寿峰〜雛の世界〜」と称して個展を開催する。
1999年 「源氏物語」の文章中より忠実におこした衣装を纏った雛人形を発表。
2000年 平安貴族の生活を人形にて現した「六条院」を発表。
2001年 映画「千年の恋〜ひかる源氏物語〜」の完成に当たり、主演及び出演者、東映本社へ人形を寄贈。
2004年 和紙あかり作家や京都ゆかりの職人達と技術者集団「古都わざ」を結成。
2006年 東京・品川 三菱本社ビルのクリスマス装飾にアートディレクターとして参加。京都の「モノ」「技」を持ち込んだ「和のクリスマス」を発表する。
映画「バルトの楽園」の主演 ブルーノ・ガンツ氏に製作した「有職立雛」を謹呈する。
2007年 明治座舞台「大奥」の打ち掛け衣装姿の人形を製作し、出演者に贈呈する。
2008年 映画「まぼろしの邪馬台国」女王ヒミコの衣装原案を人形にて製作する。
2011年 総天然染料で古代染色に挑戦し3年の歳月をかけて平安時代の色を再現、衣装にした雛人形を発表する。
2014年 伊勢神宮外宮へ「京の木馬」を奉納。
2015年 出雲大社へ「立姿 有職人形」を謹呈。
2016年 京都・北野天満宮に天神人形を奉納する。
2017年 高崎市染料植物園へ草木染立雛を納める
(一社)日本人形協会認定 節句人形工芸士