みなさん、こんばんわ。 この時期は、お得意様からの追加発注とかオーダー品の製作に連日遅くまでお仕事させていただいております。 さて、お人形さんを作る中で色んな道具を使います。 竹べらにコテ、鋏に針、ペンチにドリルにミシンなどなど。 しかし、どれもこれも機械とは程遠くせいぜいミシンかドリルくらい。 しかし、そんな中でも一番使い勝手がよく、最も頼りになるお利口な道具がじつはこれ。 そう、「手」なんです。 ミシンをたたくのも、ヘラを使うのも、そして針を刺すのもこの「道具」が良い仕事するんです。 おまけに寿峰の想う通りに動いてくれるのでもう欠かせない相棒です。 そりゃ、たまには「謀反」も起こします。 思い通りの動きを拒否してみたり、時にはアイロンコテに勝負して負けて赤くなってみたり、糊だらけになってガサガサになってみたりと結構好き勝手な振る舞いをします。 しかし、丁寧に動けと命じれば丁寧な出来映えを約束してくれます。きれいに作れと伝えればものすごく頑張ってくれます。 反面、時間はすごく掛かってしまいますが、そこは「夜なべ」で帳尻を合わせます。 ま、とにかく、寿峰にとって一番の道具なんです。 ところで、「夜なべ」って皆さんご存知ですか? 「出汁はかつをですか?」とか「具はお魚ですか?」とか「〆は雑炊ですか?」とか聞こえてきそうですがこの鍋は食べるなべではなくて夜遅くまで仕事をするという意味で使います。 「夜なべ」は昼に夜を並べて仕事をする意味で、「夜並べ」を語源とする説とか昼の仕事を夜に延ばす意味で、「夜延べ」を語源とする説、夜遅くまで仕事することから、夜を延ばす意味で「夜延べ」を語源とする説があるそうです。 今で言うところの「残業」って奴なんでしょうね。 でも何だか「粋」ですよね。 昔の人たちの言葉に対する感性ってちょっとあこがれます。 さて、本日もこんな時間まで「夜なべ」してしまいました。 ん?今夜の「夜なべは?」って? 「具」には皆様から頂戴したご注文のお人形さん、「出汁」にはお客様の「笑顔」で! お後がよろしいようで!!