朝からしとしとと小雨が降ったり止んだりですが、何となく穏やかな一日です。 冬の寒い日に差し込む太陽の光は、心をほっとさせてくれますね。 さて、京都「手染メ屋」さんのご協力により製作した「草木染黄櫨染」をご紹介したいと思います。 この「草木染黄櫨染」は寿峰の定番ともいえるお品でございますが、様々な黄櫨染の組み合わせの中でもこのお二人が個人的には一番好みです (´∀`) 落ち着いたトーンではあるものの華やかさもしっかりあって、見ていて惚れ惚れしてしまうのです。 黄櫨染は、天皇しか使用することが出来ない禁色ということは皆様ご承知のことと思いますが、色を出すのが本当に難しいのだそうです。そして草木染は「生きている」ので、色が徐々にこげ茶へと変化していきます。これは染色に使用する櫨(ハゼ)の黄色がだんだん抜けて、蘇芳(スオウ)の赤系の色が残るからなのだとか。Σ(‘◇’*) お子様のご成長と共にお雛さんのお衣裳も成長して変化していく・・・とても素敵ですね。 この黄土色のような黄色は、太陽の光を表しているのだそうです。太陽は天皇の象徴であることからも、禁色だということがうなずけますね。 金沢箔の屏風と合わせると、冬から春にかけて降り注ぐ、柔らかい太陽の光のようです。 姫は優しい朱赤に唐花模様の「名物裂」を唐衣にし、表衣には有職の深い緑を合わせました。この色のバランスが、草木染の落ち着いた黄櫨染にとても合います。 ちょっと脱線・・・ ウィキペディアを見ていたら、「ミカドイエロー」なるものを見つけました。気になって検索。 なんと!黄櫨染が元になった欧州の色だと書いてあります!!Σ(・ω・ノ)ノ! その色は、山吹色のような感じでした。ミカドは正しく天皇のことだそうです。 色の名前はおもしろいですね。国や地域、そして見る人によってもそれぞれ表現が変わるのですから興味深いです。お電話でお問合せを頂戴する時、お衣裳の色のご説明でよくこの「色の表現」の壁に当たります。例えば赤。いわゆる真っ赤のことを、私は「折り紙の赤」と言うのですが、お客様によっては「バラの赤」や「フェラーリの赤」なんて表現される方もいて・・・ お雛さんを扱うということは、同時に”色”も扱うことになります。皆様に少しでもイメージしやすくなって頂く為にも、表現力を鍛えなければなりませんね(????)ノ ※先述しましたが草木染はとても難しく、染め上がるのに時間が掛かります。ご注文頂いた段階で今シーズン分がなくなってしまう場合もございますので、あらかじめご了承下さいませ。 ※こちらのお雛さんは御売約いただきました。