今から千百年ほどの昔。
醍醐天皇を中心に藤原時平、菅原道真を左右大臣にかかえた長期政権が誕生しました。 彼らは、それまでの大陸からの輸入文化を一掃し自分たち独自の文化を打ちたてることを使命としました。 そのひとつが、894年の「遣唐使の廃止」。(歴史の時間に習いましたよね?) もう大陸から習うことはないと国外に示しました。 国内では国のアイデンティティーを再確認するために行われた「国史編纂」事業。 そして国内の財政再建のためにおこなわれた「荘園整理令」。 また、律令政治の確立に必要な法整備事業の「延喜格式」の撰修。 文化面では和歌の振興を目的として「古今和歌集」も作られました。 これは、「日本が日本である」ための礎を築いた時代でもあったわけです。
さてこの中ででてきた「延喜格式(エンギカクシキ)」。 これは、当時のお役所のきまりごとや宮中祭事に関して事細かに書かれていて、現存する最も古い「格式」であります。
この中にある「延喜式・縫殿料(ホウデンリョウ)」。
これは、実は当時の宮中における「衣服・装飾品」のきまりごとを書き表したものでその中に染色レシピなるものがいくつか見られます。 その中には、当然のごとく当時の帝が着ていた装束の染色レシピもしっかりと残されています。そうと分かれば染めて衣装にしない手はない。
ということで染めました。
京都で染屋を営んでいる「手染メ屋」さんの店主 青木正明氏にお願いして染めていただきました。 実際の分量通りにはいきませんが、割合は忠実にしました。
男雛には「紫根」で染めた『濃色』。 女雛には「茜」と「紫根」で染めた『濃緋』。
当時の最上の色を纏ったお雛さんの姿は・・・。 豊かな色の文化を感じられますね。