寿峰が想うおひなさん

さて、今日は久しぶりの寿峰でございます。
このところ配達なんかでお客様のところへ行き飾り付けをさせていただく機会があります。
屏風を立ててお道具をならべてと。
そしていよいよお人形さんの登場です!
おもむろに桐箱から出します。厳かに緊張感を持って。
すると、ほとんどのお母さんは
「ワァー、きれい!」
「ワァー、かわいい!!」

と、言っていただきます。
それは作り手にとって最高の褒め言葉。
そしてクライマックスはその次なんです。
そのときのお母さんは、これまた皆さん同じで自分のお子さんの顔を見てすごく素敵な「笑顔」になられます。
感動です!
心が震える瞬間でもあります!!
「あぁぁ、この仕事してて良かったぁ!!」
で、何が想うところかと申しますと、作り手として時には素材や技術とか学術的なところに走ってそれがイコール素晴らしいお人形さん、ええお雛さんと考えがちです。
そんな薀蓄や造りのよさという作り手のエゴみたいなもんを超越した自然と湧き出る「感覚」というか「感情」がもっとも大切なことなんだと。
工房にこもって作っていると中々わからないところでもあります。
「腕をあげよう」
「京都はこうあるべき!」
「ホンモノはこうだ!」
これらはまた自分たち作り手としての根源でもあり「変わらないもの」でもあります。
そして、わが子への愛情や慈しみもまたお母さんやお父さんの「変わらないもの」だと。
そんな「変わらないもの」が重なり合ってはじめて「感動」が生まれるのかな・・・・
ちょっと哲学的。
さてさて、そんな感動をたくさん生まれるよう今日も一日「変わらない」作業をしよう!!