富久楽雀~ふくらすずめ~

早朝からの雪は止むことなく、また一段と冷え込みましたね。
今朝おみせに向かう途中、少しだけ積もっていた雪で雪合戦をする親子がいました。京都ではなかなか見られないその光景に思わずほっこり・・(‘-‘*)
さて、今日の主役は”富久楽雀ふくらすずめ”です。
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雀といってもスズメさんの柄ではなく、お振袖や訪問着の帯結び「ふくら雀」と同じ意味のもので、寒さを凌ぐために全身の羽毛を膨らませて丸くなった雀が羽をのばした様子を図案化した柄です。
冬~春にかけての季語だそうで、まさに今の時期にピッタリですね!!
「ふくらすずめ」はもともと「膨ら雀」や「脹ら雀」と書きますが、そのうちに「福良雀」「福来雀」など縁起の良い字を当てるようになりました。
実際、「ふくら雀」には”富と繁栄を願う”との意味が込められており、大変縁起が良いモチーフとされているようです。
お祝い事に相応しい帯結びなんですね。お雛さんにもピッタリな縁起の良さです☆
雅子さまや紀子さまがが結納の儀をされた時は「ふくら雀」を結ばれていました。
最近ではサッカーの澤選手がバロンドール受賞の表彰式で、やはり「ふくら雀」でした。
今回ご紹介のお衣裳も『富久楽』と、とても縁起のよさそうなお題が付いておりますo(*^▽^*)o
唐織で、もとは帯だったものを仕立て上げました。
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左の小さい丸が頭で、先に小さいくちばしが付いています。羽を広げて飛んでいるようですね。
白地に淡いトーンでふくら雀、そして紅葉・小菊・あやめ・牡丹など季節のお花が華やかに織られています。
とても優しい雰囲気の親王ですよ。
スズメは童話にもよく登場するのでとても親しみがある鳥ですよね。
苗の害虫を食べてくれるので神聖化されたり、かつては農家さんが大切な稲穂をわざとスズメに分け与えて、来年もスズメにやれるくらい豊作になりますように。。。と願っていたんだそうです。
スズメが縁起の良い鳥と考えられるのも納得です。
昔から伝わる図案や形式にはしっかりとした意味や願いが必ず込められていて、今まで何気なく見たりしていたものにも実は意味があることに毎回驚かされます。
そしてその意味や願いをカタチにして、実際に身に着けられるようにした先達たちの知恵と技術にも驚きの連続なのです。。∑(‘0’*)