平安豊久 作 「正絹苔色沢潟威大鎧(ショウケンコケイロオモダカオドシオオヨロイ)」 カタカナで書くとなんだか外国語を読んでいるような気がしますが。。 鎧の各部位に苔色の絹組みひもを通していますが、そのことを威す(おどす)と言います。 そして「沢潟(おもだか)」とは、胴から出ている山型の部分、「草摺(くさずり)」と言いますが、それにあしらわれている柄のことです。苔色に挟まれるように内側が白い三角になっていますね。それが沢潟です。この柄は肩にくる部分、「袖(そで)」にもあしらわれていて、こちらは逆三角形になっています。 それらが合わさって「正絹苔色沢潟威」となるのです。 この大鎧は、やはりお色がとてもポイントですね。 苔色、と表現していますが、くすんだような深緑にパキッとした朱赤、そして卯の花色(アイボリーホワイト)がよく映えています。 全体に煌びやか、なのに落ち着いたお色目ですので、お部屋の雰囲気に溶け込みやすいかと思います。 またサイズですが、こんなに立派なのに実はとても可愛らしい大きさなんですよ。 台と屏風の実寸で、横幅63cm×高70cm×奥行40cm です。 屏風には、まるで日ノ出のように丸く金沢箔が施されており、他は黒一色でまとめておりますので、より立派に格式高いデザインになっているのではないでしょうか。