令和の時代

『即位礼 正殿の儀』が10月に行われて、はやひと月半が経ちました。

日本中の人形店をその衣裳を纏ったお雛さんが賑わせていますよね。

私もお仲間の染屋さんとか装束屋さんとか織物屋さんとかと顔を合わすたびに「令和の即位では皇后陛下は何をお召しになるのか?」「衣裳の柄はどんなのだろう?」「襲の色目は?」などなど事にかけ話をしていました。

そして当日はテレビにかじりつき見ました。

「美しい!!!!!!!」

素直な印象でした。

しかも「綺麗」ではなく「美しい」のです。「その差は?」と聞かれてもうまく答えられないのですがとにかく「美しい!!!!!」のです。

 

よく「創作意欲が」とか「作りたい人形」とか言いますが、今回は「作るべき人形」と感じました。

 

そこからは録画をした映像を見ました。何度も止めては見返しました。

そしてすぐにオリジナルとして織物を織ってもらおうと織物屋さんと連絡を取り、「色」「柄」「大きさ」を相談し「柄」を作ってもらいました。

この「柄」を作るのが大変難しいそうで「腕のいい」職人「柄」が歪になったりするそうです。

また「色」も映像からでは分からないところは専門家の方の意見を聞きながら調整していきます。

そうしてようやく「紋」と呼ばれる織物の設計図が出来上がるころには色も出し終えていざ!織り始めます。

 

それから1か月少々。

12月6日に織りあがりました。

その後は、「衿」に使う生地を『萌黄』に染めて「重ね」の生地を『紅』に染めて、昨日ようやく1番目の『令和即位』のお雛さんが出来上がりました。

 

 

織屋さんには美しい生地を織って頂き、染め屋さんには思い通りの色を染めてもらい、装束屋さんには貴重な意見を聞かせてもらい、様々な分野のプロが揃ってみんなで作りあげたお雛さんがまた一つ出来上がりました。

このひと月、注文の織物作りに携わる職人さんの『プロ』の仕事とそのスピード感を目の当たりにして私も刺激といい勉強になりました。ありがとうございました。

明日にはオーダーを頂きましたお得意様に順次お届けいたします。

 

現在工房では、同時進行でもう二つの「即位」を作り込んでいます!

そちらはいずれこちらにてご案内致しますので、楽しみにしていてくださいませ。

 

平安寿峰『おみせ』は明日も10:00から18:00まで営業致しております。

みなさまのご来店をお待ちしております。