本日ご来店、また、商品をご注文くださったお客様、ありがとうございました。 これから制作に取り掛かっていきますので、少々お待ち下さい・・・ たくさんあるおひなさんの中から寿峰を選んで頂いた”奇跡”のような出会いを大切に、心をこめてお作りさせて頂きます! さて、昨日おみせに遊びに来てくれた友人が「かわいい」と褒めてくれたおひなさんを早速アップしました。 実はこれ、一目惚れをした生地を使用しているのです。 仲の良い友人が自分と同じ部分で”共感”してくれたことに喜びつつ、やはり趣味が合うから仲がいいのだと勝手に納得しておりました。 男雛のお衣装と女雛が一番上に着ている唐衣(カラギヌ)と呼ばれるお衣装の、シルク製『貴宝裂(キホウギレ)』は、網模様でお二人色違いです。シルバー×チャコールグレーと、シャンパンベージュ×ライトピンクにそれぞれエンジの深い赤が効いて、奥行きが出ています。 そして、女雛が2枚目に着ている表衣(ウワギ)こそが、一目惚れをしてしまった生地なのです。生地を見た瞬間「絶対っ!!」と、一人心の中で叫んでいました。 ローズ系の色目の花柄に、さし色で黒とラベンダーパープルが入っています。そのため全体に引き締まり、甘くなりすぎず程よい調和が生まれている、と自負しております・・・ そしてこの花柄、素材は金襴(おひなさんのお衣装によく使われる生地)ですが、和というよりも西洋のタペストリーに使われていそうです。なので、個人的に柄の花はミニローズなのではないかと思っております。 先程お客様との出会いを”奇跡”と表現しましたが、生地と生地、色と色の組み合わせもまた”奇跡”と思えてなりません。単品で見るととても難しい柄のように思えても、合わせてみるとお互いに引き立てあってピタッとはまる・・・それは現代の洋服にも言えることなのかもしれませんが、平安の装束だからこそ適う組み合わせがきっと、あるはずなのです。