今日の京都は穏やかで「日向ぼっこ」が楽しくなるような日差しです。
各地の桜も見頃に近づき、多くの人々を魅了していることですよね。
私共の工房から歩いて5分、『植藤造園』さんがあります。
こちらは「桜守」として名跡『佐野藤衛門』さんの会社でもあり、敷地にはありとあらゆる桜がこの季節、美しく咲き誇っています。
毎年ここの『桜』をかがり火の灯りで見させて頂くことが春の楽しみの一つでしたが、
【今年は昨年の台風の影響で桜の木が相当傷んでいて、治療に2~3年かかります】
とのことでしばらくは園内の散策はご遠慮下さいとのことでした。
『恒例の楽しみ』とひとことで言ったもののやはり「自然」のなかで生きているんだとあらためて感じました。
さて、そんな『桜』ですが、昔のサムライや戦地に赴く人にとってはことのほか、思いの強いの花としてよく取り上げられますね。
『残る桜も散るさくら』
「さくら」の花は武士の本懐を遂げる表現に使われたり、「死」を連想させる表現に多く使われます。
これはやはりその「散る美しさ」に憧れたせいなんでしょうか?
私はそう思いません。
1年のうち10日ほどしか花を咲かせない「桜」ですが残りの355日は次に咲くチャンスのために暑さ寒さにも耐え忍ぶ。
何度失敗しても、何度こけても、どんな困難にぶち当たっても、必ず立ち上がり乗り越える。
そして乗り越え、立ち上がったそこには、美しい自分の「花」を咲かせる。何度でもです。
それが『さくら』に込められた本当の「オモイ」だと感じます。
そしてそれは本当に強い人にしかできないことでもあると同時に「憧れ」でもあったのでしょうね。
「散る」ことより「咲く」。
私もそんなオモイに凄く憧れます。
さて本日のご紹介は「名工 柿沼東光」氏による『若大将』のご紹介です。
江戸木目込みの世界において、その技術とセンスは群を抜く存在で各地にコレクターと呼ばれるファンも多くいらっしゃいます。
そんな東光氏が丁寧に作りあげたのがこのお人形です。
そんな良い人形に合わせるロケーションはもちろん『さくら』のお屏風。
全体のトーンも落ち着いた色調で統一し、余計な道具を排したお飾りはシンプルでいて圧倒的存在感です。
『強く逞しく美しく』そんなオモイの方、憧れを持たれる方に是非お求めいただきたいお人形です。
みなさまのお問合せをお待ちしております。